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林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』。東急リバブル東急不動産は、消費者と折り合っていく常識的な道筋をとりませんでした。それ故に東急不動産だまし売り裁判が起きました。東急不動産だまし売りの時代は終わりました。The time for TOKYU Land Corporation Fraud is over. 東急不動産だまし売りを正当化することは、恥ずかしい行為です。
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松尾雅彦『スマート・テロワール 農村消滅論からの大転換』(学芸出版社、2014年)はカルビー元社長による日本の農業の提言である。スマート・テロワールは地域内で完結した自給圏を意味する。地域の農作物を地域の工場で加工し、新鮮なうちに地域の消費者に届ける。流通コストが抑えられ、味も価格も良いものが提供できると主張する。
私は脱中央集権化という方向性は全面的に支持する。全体最適で仕様を統一して生産性を上げて大量生産するという発想は昭和のものである。一方で今や意欲のある農家ほど地理的な枠組みを超えて、遠方の都市部の消費者や飲食店と直接取引する傾向がある。しかも、そのような意欲のある農家に農協が取引制限をするなどの村社会的な実情も残っている。地域の自給圏という発想が地域を超えて新しいことを行いたい農家の阻害要因として働く可能性も考えられる。
このため、私は地域ブロック化よりも、個々の農家が直接取引することに魅力を感じる。地域単位の分権よりも、農家単位の分権である。その方が中央集権のアンチテーゼになる。しかし、農家が単体で直接取引に取り組むことは大変との声も聞く。特に出荷作業が大変という。本来的な意味での農協的な仕組みは農家にとって有用である。もっとも、協同組合という営利目的ではない組織形態は逆に組織の存続肥大化が目的化しがちである。それよりは地域商社的なものの方が担い手としては適している。
農家がエンドユーザーと直接取引することが難しいならば、別の選択肢として食品メーカーやスーパー、飲食店チェーンと一括契約を締結することもある。実際、著者の成功例はカルビー社長として契約栽培によって市場価格の30%オフを実現したことである。農家が需要者の要望に直接応えることで、需要者の求めるものを低コストで供給することに成功した。地域自給圏を絡ませる必要はない。逆に、そのような成功体験を持つ著者が地域ブロック的な提言をすることに不思議さがある。
契約栽培のマイナス面としては、農家が従属的な下請けになる、モノカルチャー化、大都市の植民地経済化する可能性が考えられる。特に後者のアンチテーゼとしては地域自給圏が魅力的に感じられるだろう。一方で契約栽培も必ずしも日本的な下請化しないオープンなプラットフォームが作れないものかと考える。
本書は具体的な提言として、耕作放棄地や有効活用されていない水田を畑や放牧地に転換すべきとする。水田に偏重する「瑞穂の国」幻想への批判であり、パラダイムシフトを目指すものである。米の需要が減り、米以外の食物の需要が増えているならば、それに応じた供給をすることは産業人として当たり前のことである。その当たり前の市場原理が機能しないところに補助金漬けの農政の病理がある。
一方で水田は保水力があり、連作しても土壌が痩せないという環境面のメリットがある。だから需要ということで水田を畑や牧草地に転換して良いかという思いはある。勿論、耕作放棄されて荒れるよりは良いだろう。私は消費者として「ご飯派」となり、米の需要にささやかながら貢献している。
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